くらし情報『【連載小説】理想じゃない恋のはじめ方。(最終話)』

【連載小説】理想じゃない恋のはじめ方。(最終話)

「そうなの?」

「俺なりに反省してたの。ガキみたいなヤキモチ妬いて、拗ねて、挙句の果てにしおちゃんを置き去りにして」

そう言えば先に帰られたんだよね。お互いに頭を冷やすべきだと思ってお店でゆっくりしてたけど、外に出たらもう大和の姿はなかった。あれはなかなかショックだったと言うと、大和が項垂れる。

「俺、しおちゃんの理想に近づけるように頑張る」

「いいよ、別にそんなの」

「やる気になってるんだから、水差さないでよ」

「そのままの大和が好きなのに、無理して変わることないんだって」

「しおちゃん……」

理想がどうとか、将来がどうとか、こだわっていた自分は一体何だったんだろう?思い通りになんてならなくていい。背伸びをしなきゃいけない恋なんていらない。

「大和が傍で笑っててくれたら、それでいいの」

好きって気持ちさえあれば、理想じゃなくても始められる。大和が私に教えてくれたんだよ。




理想じゃない恋のはじめ方

理想じゃない恋のはじめ方


https://www.shutterstock.com/

「大和、そろそろ起きて」

「んー」

眠そうな声で返事をした大和は、瞼を開けることなくまたすぐ寝息を立てた。

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