「必要ないヒールは全部捨てることにした」
「そうなの?」
「だって、これからは大和の靴も入れなきゃだ、し、」
言い終わる前に、ぎゅっと抱きしめられた。
「しおちゃんのそういうところ大好き」
「ありがと……。ねぇ、もう16時50分だけど、いいの?」
「えっ、やばっ!」
時計を見た大和は戸締りを確認して、玄関へと急ぐ。早く早くと急かされて、私も後に続こうとしたところで、不意打ちのキスがきた。
「しおちゃん、これからもずっと一緒にいようね」
改まって言われると、何だか恥ずかしくてくすぐったい。だけど、素直な気持ちをいつもぶつけてくれる大和が好き。
「うん」
笑顔で頷いた私は、スニーカーを履いて外に出た。
「嫌われたくない」という思いから、八方美人で優柔不断になりやすい…。そんな欠点をサポートしてくれる星座石は?