【『最愛』感想 3話】 会話の余白が描き出す複雑な感情・ネタバレあり
という問いから始まり、それぞれの今の立場から不信のもつれを解くような会話である。
「本当に、友達として話せたらいいのに」と長いため息のあとに「本当に」とぽろっとこぼれた梨央の言葉が、本音で話せない苦しみと話したい切望を同時に伝えて胸に響く。
このドラマの現代パートでは、吉高由里子は常に低く抑え気味の声で抑圧のヒロインを演じているが、彼女の声が持つエモーショナルな魅力がこの会話では最大限に引き出されている。
ここで大輝はようやく梨央の横に座り、再会してから隣というスタートラインに立つ。
分からないなりに重苦しい過去から梨央を解放したい大輝と、過去に何があったかは関係なく今の梨央を守りたい加瀬。
現代で起きた殺人の謎、弟の失踪の理由に加え、梨央の『隣』をめぐる二人の男性。
最初の一回目は夢中になってストーリーを追い、二度目三度目で演技やセリフの微妙なニュアンスを確かめる。見るたびに驚嘆がある。
時間の注ぎこみがいのあるドラマである。
最愛/TBS系で毎週金曜・夜10時~放送
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[文・構成/grape編集部]
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