2021年12月15日 11:23
【『最愛』感想 9話】愛情をふりほどき真実に向き合うとき・ネタバレあり
Twitterを中心に注目ドラマの感想を独自の視点でつづり人気を博している、かな(@kanadorama)さん。
2021年秋スタートのテレビドラマ『最愛』(TBS系)の見どころを連載していきます。
一瞬の、感情を読ませない毅然とした表情に惹かれる。本来、喜怒哀楽を発散する朗々としたエネルギーが魅力的な吉高由里子だが、時にふと表情を押し殺す瞬間がある。
それがとても美しいと思う。吉高が主人公の村岡花子を好演した朝の連続テレビ小説『花子とアン』(NHK)でも、妹のもも(土屋太鳳)から恵まれた境遇を妬まれて責められた時の、困惑気味に表情を殺した場面の美しさが強く記憶に残っている。
今作『最愛』でも、自分に向けられる他者の感情に困惑する時、動揺を押しころす時の吉高の表情はいつも美しい。
そしてこのドラマの初回、無表情に血に濡れた指で髪をかきあげる仕草もまた、息をのむほどに素晴らしかった。
宇多田ヒカルの『君に夢中』が流れる印象的な場面
ついにここまで来たという感慨がある。
サスペンスとしての考察、ラブストーリーとしての盛り上がり。どちらも高い水準で維持しながら最終回のひとつ手前に辿り着いた『最愛』(TBS系金曜22時主演・吉高由里子)。