【妻、小学生になる。第8話 感想】ついに明かされた『生まれ変わり』の謎・ネタバレあり
そして貴恵も、同じように決心していた。
守屋の圭介を想う純粋な気持ちを聞き、私がいなくなっても、愛する家族を、支えてくれる誰かがいると信じることができたのだろう。
そして、万理華は本当は生きたいと願っていると知った。だから万理華は一度戻ってきたのだ。
借りたものは、必ず返さなくてはならない。もう貴恵の決心は、揺らぐことはなかった。
麻衣と娘として、友利は弟として、小さい子どものように「いなくならないで」とわがままを言う。
圭介は第三の選択肢を諦めなかった。
万理華も、貴恵も、共に生きていく方法を。
でも、それは叶わない。この世は生きているか、死んでいるか、その二択だ。
「私がいなくても、自分の力でしっかり生きるのよ。信じてるから」
貴恵は、いなくなった。
再び回り始めたはずだった風車は、また、止まってしまった。
ファンタジーの裏に隠された残酷な現実
誰かを失ったことがある人なら、一度失くした大切な人ともう一度…。そう願ってしまう。
しかし、そんな『素敵なファンタジー』は夢物語。
ファンタジーは非現実的ではあるが、現実との境界は実は曖昧なもので、現実の上に成り立つものとも言える。