【『ファイトソング』感想 最終回】 恋が照らすもの・ネタバレあり
自分の頑なさを春樹に指摘され、いわゆる図星で怒った花枝と会うために、春樹は慎吾に助けを求める。
慎吾は花枝への一生ものの片思いから振られた直後にもかかわらず、その痛みを胸に納めて二人が出会う機会を作る。
失恋した慎吾が、凜(藤原さくら)に話した言葉「花枝が幸せになるっていうことは、俺も幸せになるっていうことなんだよな。花枝の幸せの中には、俺もいる。絶対」が印象的だ。
無条件に人の幸せを願える人は、どうか無条件にその人を愛する人に出会ってほしい。いや、慎吾の場合はもう既に出会っているのだけれど。
慎吾の尽力で花枝と会えた春樹は、花枝への想いを伝えるために精一杯の言葉を尽くす。
「花枝が好きです。今までで、今日が一番好きです。明日はもっと好きになる自信があります」
「そうだ恋ってこれだよなあ」と、心の底が熱くなるセリフである。
未来をもっと良いものに出来るという内なる確信と、自分の感情に対する揺るぎない自信が恋だと思う。
その確信が、強い光源となって相手の人生を照らす。
家族あるいは家族のような存在があって、仕事のやりがいがあって、充実した日々があって、それでも、恋だけが生む光がある。