【下剋上球児 第4話・ネタバレあり】『犯罪者になること』とは 南雲の周囲に見る、その現実
それでも彼はみなと一緒に野球ができたことを喜んでいた。
彼がどれだけ試合に出たかっただろう。誠の無念さを誰よりも知る壮磨(小林虎之介)はようやく野球部に参加する。
潔く笑顔で去っていった誠と彼の意志を受け継ごうとする壮磨の姿を見ると、南雲のしていることの罪深さがより際立つ。
それは美香(井川遥)の連れ子の青空(番家天嵩)にとっても同じだ。
青空は当初、東京へ行きたいと南雲や美香に訴えていた。しかし今は、かつて仲が良かった東京の友達とは中学受験のせいで、話が合わなくなってきていたのだ。
練習試合には観戦に来なかった青空だが、予選には祖父の七彦(中村シユン)とともにやってきた。
彼は野球に興味を持ち出したのである。青空はもう南雲を父親として受け入れていたのだ。
青空は大人の都合で父親を一度失っており、これで二度目になってしまう。
一度は乗った電車から降りて、祖父の家に戻った青空を迎えたのは誰も迎えてくれない家だった。呆然としている青空の絶望が痛いほど伝わってくるシーンだった。
子どもたちだけではなく、南雲の影響で変わったのは犬塚樹生(小日向文世)もだ。あれほどワガママ放題だったのに、翔(中沢元紀)