2023年11月10日 17:18
【『大奥 Season2』感想6話】瀧内公美、愛希れいか、古川雄大 華やかなキャストによる幕末編の開幕
死の伝染病を克服し男女の人口比が戻った江戸の町には、多様性がもたらす揺らぎがあった。
現代社会にも相通じるその揺らぎの中を、瀧内公美演じる阿部正弘が、笑ったり落ち込んだりしながら駆けていく。
その明るい景色は滅びの覚悟に沈んでいた暗い家光の時代とも、滅びの克服を決意した悲壮な吉宗の時代とも違っていて、そこには選択肢があり、だからこその悩みがあった。
男子だけが罹る伝染病・赤面疱瘡(あかづらほうそう)により男の数が激減した架空の江戸時代。将軍は女だった。労働も女たちが担った。
だが世代を超えた研究者や医師らの苦闘により赤面疱瘡は克服され、再び社会は男性優位に戻ろうとしていた。
そんな時代の流れの中、徳川に代々仕えた名門・阿部家では長男が気弱のため隠居を選び、娘が正弘と名乗り家督を継ぐことになる。
そして奇しくも同じ頃、将軍として即位したのもまた、女子であった。
※写真はイメージ
医療編という仄暗い夜明け前のようなエピソードに続き、華やかなフィナーレの幕末編が始まろうとしている。
その物語は遊郭、しかも男のみが集められた遊郭から始まる。
幕閣として頭角を現しながらも男ばかりの中で何かと気を遣う、しかしかつての女達のようにがむしゃらに仕事するのも少し違う。