くらし情報『【『大奥 Season2』感想10話】 岸井ゆきのと志田彩良が紡ぐ名前を越えた愛情』

【『大奥 Season2』感想10話】 岸井ゆきのと志田彩良が紡ぐ名前を越えた愛情

とバッサリ斬る毒舌の場面も、大阪での家茂の死を知らせに来た瀧山(古川雄大)に対する毅然とした言葉も素晴らしかったが、やはり忘れがたい名場面は、形見の袿と打掛を前にした慟哭だろう。

「まあ、やれ言うんやったらやるけれども」

呟く和宮の目には、そこにいる家茂の姿が見えている。これは彼女にとって愛する人との『会話』なのである。

「前から言おう言おう思てんけど。徳川とか、この国とかそんなん、どうでもようない?そんなんは争うことが大好きな腐れ男どもにやらして。私ら、きれいなもん着てお茶飲んで。カステラ食べてたらそれでようない?」

大奥コラムのイメージ写真

※写真はイメージ

泣きながら囁いた言葉は、家茂が生きている間は言えなかったのかもしれない。

「上さん」は自分の命よりも国や民衆を大切に想い、苦しむ人を決して見捨てない人だとよくわかっていて、そんな彼女を深く愛していたから、どうでもいいとは決して言えなかった。


「あほやなあ」と和宮らしい憎まれ口は、それが恋愛か、友情か、あるいは家族愛か、そんなカテゴリそのものを溶かしてしまうような、深い愛情に満ちていた。

今回、原作にはない部分でもっとも印象に残ったのは、京に帰ろうかと迷う和宮に、家茂が宸翰(しんかん)

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