2024年1月22日 11:17
【『グレイトギフト』初回感想・ネタバレあり】新境地に挑む反町隆史と、悪の魅力全開の佐々木蔵之介が魅せる極上サスペンス
SNSを中心に注目ドラマの感想を独自の視点でつづり人気を博している、かな(@kanadorama)さん。
2024年1月スタートのテレビドラマ『グレイトギフト』(テレビ朝日系)の見どころを紹介します。
かなさんがこれまでに書いたコラムは、こちらから読めます。
以下、ネタバレが含まれます。
これは医療ドラマではあるけれども、いわゆる『医者が難病や重傷の患者を治す』という解決のインターバルをくり返すヒーローの作品ではない。
主人公は冴えない病理医で、その上倫理観も中途半端だ。
人生の限界が見え始めた中年の男が、今にも手のひらからこぼれ落ちようとしている日常を守ろうとする、泥沼のような綱渡りの物語だと思う。
初回の『グレイトギフト』(テレビ朝日系木曜21時)は、ここ最近のサスペンスドラマの主流であるスピード感というよりは、主人公が危うく善悪を揺れながら渡るじりじりした展開に、最後まで目が離せないドラマだった。
巨大な大学病院内で元総理大臣の大物政治家が急性心不全で急死。一見何の不審もないその死に、うだつの上がらない病理医・藤巻達臣(反町隆史)が小さな疑問を抱いた。
通常では見つけづらい新種の球菌が急性心不全を引き起こしていること、そして元総理の不審死が意図的な殺人だと確信した藤巻は、球菌の危険性を病院の理事長・奥野(坂東彌十郎)