【『不適切にもほどがある!』感想6話】価値観の変化を越えて問う人生の痛み
不適切な言動で騒動を起こしつつ、その明快さが逆に受けてテレビ局でアドバイザーを務めることになる。
そんな中で、小川は自身の孫にあたる犬島渚(仲里依紗)と出会い、自分と純子が9年後、阪神淡路大震災で死亡していることを知ってしまうのだった。
一方、小川とは逆に、令和の社会学者・向坂サカエ(吉田羊)と息子のキヨシ(坂元愛登)は、昭和にやってきて小川の部屋に滞在している。
キヨシは不登校でまだ出会ったことのない同級生・佐高を気に掛けていた。
前回、小川本人と純子の寿命が明らかになってしまうという衝撃の展開とともにドラマは折り返しを迎えた。
それを受けて、6話ではいずれ来ることが分かっている悲しみにどう向き合うか、解決できない問題をどう受け止めるかということが、悲喜こもごも交えながら描かれていた。
とりわけ印象深いのは、「どうなるか分かってる人生なんて、やる意味あるのか」と、娘の運命を嘆いた小川の言葉と、それに応えた「今考えてもその時考えても分からないなら、今の日々を楽しく、好きなように生きたらどうだろう?」というサカエの言葉だった。
そこにはなぜ生きていくのかという、人生そのものへの問いかけがあり、解決できない不条理や痛みを抱えて生きる人に対し、極力誠実であろうとする返答がある。