コロナで日常が壊れた保育所 余裕のない日々で、保育者が学んだことは…【きしもとたかひろ連載コラム】
Twitterやnoteで子育てに関する『気付き』を発信している、保育者のきしもとたかひろさん。
連載コラム『大人になってもできないことだらけです。』では、子育てにまつわる悩みや子供の温かいエピソードなど、親や保育者をはじめ多くの人の心を癒します。
新型コロナウイルス感染症の感染拡大によって、日常が壊れた学童保育所。そんな中で同僚が漏らした言葉は…。
第7回『たからくじが当たらなくても。』
「余裕がないと人が出るんですかね。自分の性格めちゃくちゃ悪いって思いますわ」と同僚が漏らした。ああ、ぼくも同じことを思っていた。
こんな保育がしたいんじゃないのに、口ばっかりじゃないか、自分はこんなにダメな人間なのか。この数ヶ月ずっとそんなことを考えている。
ぼくの務める学童保育所は、「日常の忙しさ」という点で言えば教育・保育業界の中では余裕のあるほうだ。「だから楽だ」ということではなくて、余裕があるからこそ質の高い支援を目指せると思ってやっている。
それが、コロナ禍によって崩れた。小学校の休校措置によって、ひとりで家で過ごす子どもたちの受け入れ先として、学童保育所に白羽の矢が立ったのだ。