2018年11月22日 11:00
小山内美江子 金八先生脚本家が語る「アンチ終活のすすめ」
『血はいやだけど、汗なら流せる』と思い立ち、ヨルダンの難民キャンプへ飛ぶことにしました」
以来、周囲の支援にも助けられながら、海外ボランティアに私財をつぎ込んできた。
「正直、貯金は全部使い切ってあの世へ行くつもり。それもあって、終活と呼ばれるようなことは具体的には何もしていません。明日逝っちゃうかもしれないのに、ジタバタしたってしょうがない」
お墓や遺言の準備、財産相続などの終活をしなかったおかげで、「還暦後、人生がますます豊かになった」と語る小山内さん。そこには、自身の死生観も重なる。
「自宅(横浜市鶴見区)のそばにある曹洞宗の大本山・總持寺で少女時代から『修証義』という経典を黙読しています。その教えに『死ぬときは何も持っていかれない』と書いてあるんです。お金も愛する人も連れてはいけない。
ついてくるのは、あなたがこの世でやった良いことと悪いことだけだ、と。88歳になった今、とても共感できる教えです」
また、終活なんて必要ないと断言できるのは、ひとり息子で俳優の利重剛さん(56)との関係性も大きく影響しているという。「息子は『借金は困るけど、それ以外は何も残してくれなくていい』と言ってくれています。