2019年2月4日 06:00
橋爪功 出演舞台で得た教訓「認知症の家族がいたときには…」
「亡くなった樹木希林さんと話したものですよ。『俳優としてこんなに生き延びるって思わなかったね』って。年を重ねると先に逝かれる人がいて、さびしいことです」
そう語るのは、映画『家族はつらいよ』シリーズで、日本の平均的な家庭の父親を好演する橋爪功(77)。今回はフランス発、注目の舞台『Le Pere 父』(2月2~24日/東京・東京芸術劇場 シアターイースト、3月16・17日/兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホールほか、上田、高知、名古屋、松本で公演)で、高齢の父親アンドレを演じる。
80歳のアンドレは自分から望んでアパルトマンで一人暮らしをしているが、認知症を発症し、娘の気をもませている。
「アンドレは女房に関しても悪態をつくんです。俺も言ってみたいよ。いや、うちは一緒にお酒を飲むくらい仲はいいんですけどね(笑)」(橋爪・以下同)
脚本は、気鋭の劇作家、フロリアン・ゼレールだ。
「台本を読んで、よくできたお芝居だな、と。書いた彼はまだ30代。たいしたもんです。ややサスペンスタッチだとも言えるし、複雑で面白い。読んでいて混乱してくるんですよ。よくできている台本だからこそ、ね」