2019年2月4日 06:00
橋爪功 出演舞台で得た教訓「認知症の家族がいたときには…」
認知症を発症した家族に、周りの人たちは、どう向き合えばいいのか――読者にとっても人ごとではない。しかし、橋爪は「深刻にならなくていい」と語る。
「思うんだけどさ、よく“赤ん坊に返る”っていうじゃない?そういう目線でお年寄りと接していけば、あたふたしなくてもいいんじゃないかな。高齢の親がへんてこなことを言ったとしても笑っていればいいと思う。昔は地域全体が『あのじいさんボケてるから』なんて言って受け流してた。最近の人は地域のつながりが少なくなって、全部を個人で引き受けなきゃいけないから大変だよね」
物語は、記憶と現実にギャップができ困惑する父と、彼の変化に戸惑う娘の姿を描く。
「それだけを表現するんじゃなく、むしろいろんな乱反射というかね、深刻な面に見え隠れするトンチンカンな現実をむしろ楽しめればいいね。キャッチコピーの『哀しい喜劇』って言葉はまさにそういうことだと思うんですよ」
俳優としてのキャリアは50年以上。
長く続ける秘訣は、「小さな事柄にいつまでもこだわらないこと」だそう。「楽観的でぼーっとしてるの、俺。気になることがあっても忘れるよう心がけている。というか、すぐ忘れる。