「蚊取り線香を使ったことある方いらっしゃいますか?1回でも殺生したら“等活地獄”に落ちます!でもご安心ください。仏教には“功徳”というのがあって、よい行いをすれば、成仏できるんです」
登壇者のひとりである真言宗豊山派・東光寺(栃木県)副住職の市村直哉さん(40)が、軽快な口調でそう話すと、満席の会場からドッと笑いが起きた――。
6月2日、須磨寺(神戸市須磨区)で開催された「H1法話グランプリ」(以下、H1)。H1では宗派を超えて自薦、他薦で募った7組8人のお坊さんが参加し、持ち時間10分の中で、それぞれが趣向を凝らした法話を披露。それを聞いた観客と審査員が、1人3票ずつ投票。もっとも票が集まったお坊さんがグランプリとなる、まさに法話のコンテストだ。
大会当日、会場は満席。400枚のチケットは2日で売り切れたという。
市村さんが会場を笑いの渦に包んだかと思えば、最年少出場者の天台宗・正明寺(兵庫県)副住職の小林恵俊さん(28)は、自分の妻の話を披露。『妻は寺のPRのために、寺社内にぬいぐるみを置いて、その写真をインスタグラムにあげているんです』というゆる~いエピソードに、聞いているみなさんは思わずほっこり。