2019年11月29日 18:00
『隠れビッチ』原作者の壮絶過去 父の虐待で自尊心を喪失…
それでも、彼女は発信することをやめなかった。そして「自己責任」が声高に叫ばれる現代社会に対して疑問を呈する。
「今の社会には『逆境に負けず、自分の力で乗り越えることは素晴らしい』という空気感がある気がします。それ自体は別に悪いことではありませんが、とても苦しい状況にある人が『辛いのは自分だけじゃないんだ』と自分を追い詰めてしまう人も少なくないんじゃないか?と感じますし、私自身結果的にいろいろな思いを「乗り越えた状態」になりましたけども、もっと早く人に助けを求められればよかったといつも思いますもん。世の中がもっとフランクに頼れるような環境になっていったらいいなと思っています」
最後に映画を見る人に対してメッセージを送ってくれた。
「監督は完成披露試写会のインタビューで『特別な事件がないこの話をまとめるのは大変だった』とおっしゃっていました。もうほんとその通りで、人生って大きな事件があるわけじゃない。でも本人としては辛かったり、苦しかったり、抱えているものがある。
そんな人生の一瞬を監督は丁寧に切り取ってくださいました。それもあって、年代問わず刺さるものがある映画になったと思います!ぜひ皆さんエンドロールの後まで、楽しんで欲しいです」