くらし情報『ディズニーなぜ連作ヒット アナ雪2に見る現実社会との関わり』

2019年12月26日 16:00

ディズニーなぜ連作ヒット アナ雪2に見る現実社会との関わり

を社会に訴えかけていた。

【3】あの名作のような視聴後の感覚

”運命を切り開いていく女性”と”民族の分断”をテーマとした作品構造に近い作品をみなさんはご存知ではないだろうか?多くの人が一度は見たことがあるであろう『風の谷のナウシカ』(1984年)がそれである。

文明を持つ大国と自然を愛する小国の分断、そしてその状況に向き合う女性。「ダム」という象徴的な人工物により、精霊の怒りを買うというテーマも通ずる部分がある。さらに、エルサがアレンデール王国の前で氾濫する水と対峙するラストシーンは、まるで王蟲(オウム)の群れに対峙するナウシカそのものに見えた。

宮崎アニメが海外でも評価されてきたのは、「文明と自然との対立、和解」という普遍的な問題を描いてきたからである。そして、この『アナ雪2』も国家や民族の問題と自然(精霊)の怒りを描くことで、人類が向き合い続けてきた普遍的なテーマを題材とした名作だと感じる。『アナ雪2』はアニメ映画の世界で40年前からメッセージを送っていた宮崎駿監督の素晴らしさに改めて気づくとともに、『アナ雪』という最高の舞台を用いて、今の時代性に合う“女性の活躍”と“民族の分断”をテーマとした社会派のメッセージが描かれた意欲作だった。

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