2020年2月21日 11:00
『ねんとな』話題の“僧医”を発見、45歳で僧侶が医学部入った理由
を学ぶために、第一人者である帯津良一氏の門をたたく。
「週に1回、院長回診にも同行させてもらいました。漢方や太極拳、音楽療法、西洋医学と伝統医学を組み合わせた統合医療を学ぶうちに、ホメオパシー(自然治癒力を促す補完医療)などにも興味を持ち、イギリスで3年あまり臨床研究をしました」
帰国後、東京都内で内科のクリニックを運営していたところ、現在勤務する病院から経営再建の依頼を受け、まずは下見に赴いた。
「4年前の3月。ちょうどお彼岸の前後で残雪がありました。病院に着いて、まず職員通路を歩くと、掲示板に《本日午後一時から、新院長のご挨拶》と貼り紙があるんです。新院長は誰かと聞くと『先生のことです』と(笑)。『私、まだ承諾したわけじゃありません』と言っても『先生に断られたら病院が潰れます』と聞いてくれない。
でも、そうまで言われると“ご縁”と考え引き受けてしまうのが、坊さんなんでしょうね」
患者の心に寄り添い続ける院長生活も4年がたった。病院の経営状況が飛躍的に改善したこともあり、新病棟建設の構造が立ち上がっているという。
「仏像も十字架もない、簡素な部屋にするつもりですが、一人で時間を過ごすための“祈りの部屋”を新病棟には造りたい。