くらし情報『『ねんとな』話題の“僧医”を発見、45歳で僧侶が医学部入った理由』

2020年2月21日 11:00

『ねんとな』話題の“僧医”を発見、45歳で僧侶が医学部入った理由

’54年、愛媛県の山寺で、対本さんは長男として生まれた。僧侶となるため厳格な父に育てられ、小学1年生で得度、自然と「般若心経」も覚えたという。

「初めてお檀家さんのお葬式に出たのは小4のとき。生まれる以前に祖父母を亡くしていたので、寺の子でありながら、人の死に触れるのはそのときが初めてでした。棺の扉の向こうにご遺体の顔が見えたときは、トラウマになるほどびっくりしたのを覚えています」

生や死について学ぶために、京都大学の哲学科に進むことに。卒業後は、京都の天龍寺で修行する。

「厳寒の時期、素足にわらじを履いて托鉢にまわりましたし、嫌というほど座禅もしました。1年目は慣れていないもので、長時間座禅をするといるはずのない弁髪姿の中国の子どもの幻が見えたことが……。
修行に耐えられず、夜逃げした仲間も何人かいました」

厳しい修行の末、臨済宗で14ある本山の1つを管長として任されるまでになった。7年間、宗門の近代化に力を注ぐなかで、かつて35歳のとき父親の死に直面した経験がしだいに心に蘇ってきて転機となったという。

「それまでの死はお檀家さんの死であり、私には“遠い死”でした。しかしーー。

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