2020年7月9日 11:00
市民約4千人が捜索に 認知症“行方不明者”発見率100%の街
警察が直接飼育・訓練する「直轄警察犬」と、一般の人が飼育し、訓練する「嘱託警察犬」の2種類があり、行方不明者捜索の現場ではどちらも活躍しているという。今後も増えるであろう認知症の行方不明者の捜索。警察犬の活躍が一層期待される。
認知症の行方不明者を助ける取り組みは、各市区町村でも積極的に行われている。
なかでも成果を上げているのが、群馬県の「沼田市認知症にやさしい地域づくりネットワーク」だ。’05年からスタートしたこの取り組みは、発足からこれまでにあった240件の捜索依頼の発見率が、何と100%(遺体で発見されたケースも含む)。福岡県福津市など県外から視察が来るなど、モデルケースとして注目を集めている。
いったいどのような流れで、高齢行方不明者を捜し出しているのだろうか。
同ネットワークを運営する、沼田市社会福祉協議会の立木裕也さん(27)が説明する。「まず、行方不明者のご家族が沼田署に捜索願を出します。その際、ネットワークを使うことを家族が承諾すると、沼田署からみなかみ町や片品村、川場村、昭和村を含む利根沼田地域にある117件の協力団体(JR沼田駅、郵便局、農協など)に、行方不明になった時点の情報が記載された捜索依頼ファクスが一斉送信されます」