「パパは僕たちを捨てた」と…がん克服の笠井アナ語る家族の絆
妻のますみさんは現在はテレビ東京の管理職で、今回の夫の闘病中も、働きながら見舞いに通った。家族が“ワンチーム”となり乗り越えたという、笠井ファミリーのがんとの闘病の1年間を語ってもらった。
「子供ができるまで、僕ら夫婦はまさしく24時間働いてました。母親になった妻は、ワークライフバランスの先駆けという感じで生活スタイルを変えましたが、僕は相変わらずでした」
彼には、忘れられない家族の“事件”がある。
「01年9月11日、アメリカ同時多発テロが起きたとき、妻は『行かないで』と言いました。次男が週に2度も救急車を呼ぶような家族のピンチの時期だったんです。それでも振り切ってアメリカ行きを敢行し、数週間後、山のようなおみやげを抱えて帰宅した僕に、玄関で長男が言いました。『お父さんは、僕たちを捨てた』腰、抜かしましたよ。
実は、テレビ中継を見ながら、妻が子供たちに話していたそうなんです。『お父さんは、あなたたちを捨てて、ここでしゃべってるのよ』ただ、妻は父親の悪口を息子に吹き込んだのではなく、その行為で、僕に大切なことを伝えようとしていたんですね」
それから、しみじみとした口調で言った。
「でも、まだ本当に理解していなかった。