2021年2月11日 17:18
有名俳優の出演続くBL作品 タイ効果で“映画界の希望”なるか
そういう観点で見比べるのも面白いですよ」
■「溝口健二や河瀬直美と競うような作品を作り上げられれば」
いっぽう、それぞれに過渡期ゆえの課題もあると久保氏は指摘する。
「タイBLは編集に雑さを感じることがあります。『どうしてこんなショットのつながりになるんだろう?』と気になる点が多々あります。
あと大学や学校など、いわゆる“学園もの”の物語が同じような空間で繰り広げられるんですね。ちょっとハイランクだったり。同性愛以外にも多様な性表現(見た目や言動などで表す性)を描く点も魅力だと思いますが、『Manner of Death』のようにさらに設定の幅が広がると、より多くのファンが生まれるのではないでしょうか」
そして日本のBLについて久保氏は、自身の体験談を交えて話す。
「実は男性同性愛者の登場する映像作品について調べていた際、『そういう枠で作品を紹介しないで欲しい』という意見が芸能事務所から出るケースもあると知りました。たとえ俳優がその役を演じていなくてもです。
まだまだ同性愛嫌悪が根強いのではと考えています。
また作品で同性愛をテーマとして扱っているにもかかわらず、制作陣が配慮に欠けた発言をすることも多々あります。