「コロナめ!ですよ」伊東四朗語る最後の喜劇人としての矜持
「あたしなんか色気もなんにもないのにいいんですか。先日、直近の記事(シリーズ人間)を拝見したら、ハリス副大統領で。あたしはその枠に入る人じゃないですよ。いやぁ、驚いた」
伊東四朗(83)は身を乗り出してこう切り出すと、丸い目を見開いたおなじみの表情で、所属事務所のソファにその身を沈めてみせた。
こうしてインタビューは、笑いとともにスタート。主演舞台『伊東四朗生誕?! 80+3周年記念「みんながらくた」』(2月26日~)の初日を1カ月後に控えた1月25日のことだ。
「へへへ、80+3なんて区切りでもなんでもないですよ。たくさんセリフのある芝居ですね、はい」
応接セットのテーブルには、透明のアクリル板と消毒用アルコール、伊東の顔には全面を覆うフェースシールドにマスク……。
厳重なコロナ対策が施されている。コロナ禍での舞台開催は気苦労が絶えない。稽古時も、関係者全員、PCR検査を受け、陰性証明を持って稽古場入りするそうだ。
「このあと、あたし、PCR検査、受けます。ちょっと戦々恐々としてますよ。1人でも出たら、もう(舞台は)終わりだから、はい。あたしみたいな年寄りは罹ったら一発だっていわれてますからね」