2021年8月8日 11:00
五輪のために強行 上皇ご夫妻も危険にさらす羽田新ルート
■パチンコ店の店内なみの騒音の可能性
文書によると、新ルートの高度は高輪皇族邸付近でわずか540mほど。もっとも接近した場合の水平距離は、敷地内から約80m、両陛下がお住まいの建物から約160mという近さになる。付近の騒音は〈屋外で最大70〜75デシベル(街路沿いの住宅地の騒音程度)〉と書かれている。しかし、その実態を都心の低空飛行に反対する『みなとの空を守る会』の共同代表・増間碌郎さんが語る。
「数分おきに飛来する飛行機のエンジン音がうるさくて仕事が手に付かないほど。低空飛行の航空機に対して、多くの住民が騒音や振動への怒り、落下物の恐怖をつねに感じています。上皇ご夫妻のお住まいの高輪皇族邸も大きな騒音に包まれています」
元日本航空機長で航空評論家の杉江弘氏はこう指摘する。
「新ルートは急角度で着陸態勢に入ることが強いられ、パイロットたちからは操縦の難しさ、危険性などを指摘する声があがっています。
とくに上皇ご夫妻がお住まいの付近は、最終進入ポイントに入るために、降下角を調整するためエンジンの出力を上げるので騒音がさらに大きくなるのです」
杉江氏はパチンコ店の店内や走行中の電車内の騒音レベルの80デシベルに達している可能性もあるという。