2021年8月8日 11:00
五輪のために強行 上皇ご夫妻も危険にさらす羽田新ルート
高輪皇族邸。現在、上皇ご夫妻が仮御所とされている(写真:時事通信フォト/朝日航洋)
「公園から道路に飛び出そうとした3歳の息子を、追いかけながら必死に呼びかけたんですが、ちょうどゴーッという飛行機の音と被ってしまって声が届かなくて……。どうにか追いついて手首をつかみました。間に合わなかったらどうなっていたことか」(港区在住、20代女性)
「通学路に見通しの悪いT字路があります。これまでは接近音で車が出てくるのがわかったんですが、飛行機が飛んでいるときは車の音がかき消されて本当に危ない。ちょうど飛んでいるのが子供の下校時間だから、不安で不安で」(品川区在住、30代女性)
数分おきにすさまじい轟音とともに、驚くほど大きく見える飛行機が頭上を飛んでいく。屋外では会話もままならず、窓を閉めても音が聞こえてくる。
それどころか、子供の命が危険にさらされることも……。昨年3月から運用が開始された羽田新ルート下の住民たちの日常だ。
2019年4月に退位なされ、現在は仙洞仮御所(高輪皇族邸)にお住まいの上皇陛下と、美智子さまもまた同様の状況に置かれている。本誌は公文書開示請求で、新ルートを管轄する国土交通省と宮内庁のやり取りを記録した文書を入手した。