2021年8月30日 11:00
今日がいちばん元気――ALSの声優語った闘病は「妻に甘えてた」
「これほど感染対策をするのは、呼吸器の病気は致命傷にもなりかねないからです。リモート収録ならリスクはさらに下がりますが、やっぱり現場に来て、実際にニャンちゅうの動きを見ながらでないと、しっくりきません」
津久井さんは19年にALS(筋萎縮性側索硬化症)と診断された。神経変性疾患で、手や足の動き、嚥下が困難になる症状などがあらわれ、しだいに体の筋肉が減少し、寝たきりの状態になる。さらに進行すると、声を発すること、自力で呼吸をすることも不可能に。一方で意識はクリアであるため、精神的にも過酷な病いである。
「人によって症状や進行はさまざまですが、発症から寝たきりになるまでだいたい3年から5年が目安だそうです。ボクの場合は早いほうみたい。症状が出てから2年半で、歩くことも立つこともできないし、今は腕も動かないです。
トイレも介助がなければ無理だし、要介護4の状態。テレビ収録のときはおむつだし、台本も妻にめくってもらっています。治療法が見つかってなくて病状は進行するばかりだから、「これでも“今がいちばん、健康な状態”なんですよ!」
深刻な病状でありながら、津久井さんは悲愴感を漂わせない。