2021年8月30日 11:00
今日がいちばん元気――ALSの声優語った闘病は「妻に甘えてた」
学校は『なんなら空いている時間、すべてやってもらってもいい』とまで言ってくれています」
当初はお金の心配もあったが、
「ALSは難病指定されているため、月の医療費は2万円ほど。介護やリハビリサービスなどもかさみますが、今のところ、なんとかなっています」
前向きに生きる気持ちが芽生える一方、着実に体の機能を奪われていく苦しみで、心が折れそうになることは、たびたびある。
「最初の症状が出てから9カ月後の’19年年末には、車いす生活になりました。まだ手が元気だったので、杖をついてバランスを取ったり、テーブルにつかまり立ちができたんですが、正直、死にたいって思うことだってありましたよ。そんなときは発散の意味もあって“あー、死にたい、死にたいわ!”って大声で歌うんです」
そうでもしないと、本当に死にたい気持ちに支配されてしまいそうだからだ。それでも時を追うごとに、ALSは容赦なく、腕や指の動きなど、次々に体の機能を奪っていく。そのたびに自分を奮い立たせるため「くそー!」「なんでだよ!」と、大声を出す。
「蹴り飛ばすものがあれば蹴り飛ばしたいけど、体が動かないんだから、物に当たることもできません。