2021年8月30日 11:00
今日がいちばん元気――ALSの声優語った闘病は「妻に甘えてた」
でも、今のところ僅差の闘いで、51対49で、“しない”という答えです」
それが現時点での、津久井さんにとっての“生きる”という選択肢なのだ。
■“今日がいちばん元気な日”――日々進行する病気だからこそ、毎日がいとおしい
「ちょっと、今日は飲もうか」
夕食のとき、津久井さんが言うと、雅子さんは350mlの缶ビールをプシュッと開けて半分こにする。以前はビールは入口で、その後にワインやハイボールに進んでいた夫婦。でも、今はお互い、わずかの酒量で酔ってしまう。「やっすい男になったねー」と言う雅子さんの言葉に、津久井さんも「おまえもやっすい女になったねー」と逆襲。
コロナ禍もあり、雅子さんと過ごす、穏やかな時間が増えた。たまの晩酌に喜び、一緒に見るテレビの凶悪事件のニュースに怒り、五輪で泣き、知り合いのナレーターの“甘噛み”を楽しむ。
「今さらですが、ALSになって、喜怒哀楽を共にできる妻がそばにいてくれてよかったなって思う。
周りの友人からは『気づくのが遅えよ!』って怒られますが(笑)」 そして、これからも夫婦で好きなことに挑戦していく。
「ALSは難病だけど、闘ってるつもりはないんです。