2021年9月6日 11:00
実家の温もりを――。シンママたちへ居場所作った「普通の主婦」
“実家よりも実家”に、家族のような関係だ
「はい、みんなー、ごはんよ!」
騒々しい部屋のなか、女性のひときわ大きな声を合図に、子供たちが集まってくる。
「はい、愛華。ご飯どれくらい?ストップ言ってよ。あれ、おかずはいらんと?おかず、自分でちゃんと、とってよー」
ごはん茶わんに白米をよそいながら、女性はおかずの入った大鍋を指し示す。この日の献立はオクラと豚肉の炒めもの、それに野菜のほうとう。女の子がオタマでほうとうをすくっていると、不意に女性がまた大声を上げた。
「琉雅!ごはーん!愛華、食べる前に琉雅、呼んできて。あっちの部屋でゲームしとるけん」 すると今度は、少し離れたところで、よちよち歩きの女の子が声を張り上げ、泣き始めた。
また、女性が大声で叫んだ。
「ん?誰か?なんで泣いとる?なんでー!?」
とってもにぎやかなこの場所は、福岡県久留米市にある、ひとり親家庭を主とした子育て世帯を支援する一般社団法人「umau.(以下、ウマウ)」の活動拠点。“実家よりも実家”をコンセプトに「じじっか」と名づけられている。
なるほど、子供もママも、玄関の扉を開けるときの挨拶は決まって「ただいま」