2022年4月17日 06:00
無罪訴え94歳になったアヤ子さん支える弁護士 国を許せない思い
鴨志田さんとアヤ子さん
♪おれたち 三兄弟 酒が好き 飲むほどに 愉快♪
軽快なタッチでピアノを弾き、鴨志田祐美さん(59)が歌いだす。弁護士の鴨志田さんが作詞作曲した『アヤ子のうた』だ。始まりは明るいワルツだが、途中で曲調が変わり、歌詞がストレートに突き刺さってくる。
♪目覚めたら 末の弟がいなくなってた みんなで探したけど 姿は見えず 三日後に見つかった 変わり果てた姿 警察は俺に言う「お前らが犯人」♪
アヤ子とは、原口アヤ子さん(94)のこと。1979年、鹿児島県大崎町で起きた「大崎事件」の主犯とされ、懲役10年の実刑となった人物だ。
しかし、事件発覚当初から、取調べ中も裁判中も、アヤ子さんは一貫して無実を訴えている。これまで3度、再審(裁判のやり直し)を請求したが、すべて棄却され、現在、4度目の再審請求を鹿児島地裁に申し立てている。
鴨志田さんは、司法修習生時代から19年、大崎事件に関わり、現在は、再審弁護団の事務局長を務めているのだ。
「この事件は、最初の再審開始決定から20年もたっています。無実の人であるアヤ子さんを、なぜ、いまだに無罪にできないのでしょう。いまの再審制度では、無実の人を救うことができません」