拒食症で体重が半分に…かつて食を恐れた少女が「みんなでおむすびを握る」ワークショップ主催へ
そして、中2のときだった。
「香菜。ちょっと、足、太くなったんやないか?」
身近な知人の発した何げない言葉に、ひどく傷ついた。
「今なら笑い飛ばすでしょうが、13歳の私には衝撃だったんです。それまで私は痩せ形ではありましたが、『スタイルいいね』と言われるタイプでしたから、太ってしまったのなら、また痩せないと、自分はまわりから認められることがなくなるんじゃないかという強い危機感に襲われて」
思春期の入口にいた彼女がすがったのが、ダイエットだった。
「当時、中学生が読む雑誌にもダイエットの記事が載っていて、私が試したのが“午後5時以降は食べものを口にしない”というもの。それで、ほかの家族が帰宅する夕方5時前に一人でごはんを食べるようになるんです。やがてエスカレートして、食べること自体が怖くなって、母に作ってもらったお弁当も友達にあげたり。
でも、そのうち、私がどんどん痩せていくから友達もちょっと引いて、もらってくれなくなって。持ち帰ったお弁当を『ごめんなさい』と泣きながら、犬にあげたりしてました」
しばらくしたとき、数字に固執している自分に気づく。
「毎日、朝昼晩と体重計に乗るようになっていました。