拒食症で体重が半分に…かつて食を恐れた少女が「みんなでおむすびを握る」ワークショップ主催へ
根本には、自分に自信が持てないということがあったと思います。体重計の数字だけは裏切らないと生きる拠り所になっていて、早朝4時にガリガリの体で団地の中をただ走りまわっていたり。食べても、食べなくても、どちらも罪悪感があって。このころがいちばん苦しかったなあ」
両親と訪れたフードパークでのこと。食事はせずに、ドリンクバーでノンカロリーのお茶ばかり飲んでいる娘に、父親が声をかけた。
「ちゃんと食べんと死んでしまうよ。何か食べようや」
男親なりの、心配をストレートに口にした言葉だったろう。それに対して、母親が言う。
「香菜は、食べたくても、食べられんのよ」
途端に険悪なムードになってしまったのだった。
「仲よし夫婦の2人が、言い争っている。いい家族のはずだったのに、私のせいでケンカさせるのは申し訳なくて、生まれてきてごめんなさい、と思ったり。そのうち、158cmで45kgほどあった体重が23kgですから、半分になってしまって」
体にも症状が出始めていた。膝が曲げられなかったり、いつも極度に冷えを感じていたり。
「人間の防衛本能でしょうか、寒がっているうちに背中に毛が生えてきました。