拒食症で体重が半分に…かつて食を恐れた少女が「みんなでおむすびを握る」ワークショップ主催へ
彼女はクラスの人気者でもあって。そんなコが、最初から、もう普通に接してくれたんです。これまでは誰もが腫れ物にさわるように声をかけてきたりだったのが、彼女は一緒に過ごしていたお弁当の時間も、私が食べていなくても気にしないで自分は食べている。摂食障害の女の子ではなく“菅本香菜”という存在を認めてくれた。あっ、私はこのままでいいのかなと初めて思えたんです」
大きな転機であり、また初めて体験する女子高生らしい生活。
「そのうち、彼女と一緒にいる時間をもっと増やしたい。そのためには、私も食べたほうがいいかなと素直に思えて、ヘルシーなものから食べるようになったんです」
共に食事の場を囲んでいいんだとの思いが、やがて私はここにいていいんだ、生きていていいんだという安心感につながっていった。
「卒業後に進みたい道も見えてきました。
私が、病気を通じて関心を持ったのが心理学でした。というのも、食べられないけれども、食べることにものすごく執着があったんです。管理栄養士のことを調べたり、カロリーなどについてもかなり詳しくなっていました。それは、実に興味深い人間の心の奥深さだと感じてました」
香菜さんが選んだのは、熊本大学の総合人間学科。