孤独の苦しみに過去の自分重ね…「赤ちゃん食堂」創設者がママたちに手を差し伸べる理由
やがて、妊娠がわかったのです」
産むことに迷いはなかったが、母親業と学業の両立に悩んでいたところ、妊娠直後に入籍した夫の正人さん(44)は言った。
「お母さんも学生も、どっちもやればいい。おれも協力するから」
’07年10月、長男が誕生。出産による休学もあって5年かけて卒業した大学では、看護師と保健師の資格を取得。さらに助産師の資格を取るため、衛生看護専門学校助産師学科で1年間学んだ。
「念願の助産師になるため、ここは頑張りました。私、首席で卒業したんです!まだ幼かったけど、息子にママの背中を見せたいと」
その後10年間は、いくつかの病院や産科クリニックで看護師、助産師として働いた。生と死が間近にある現場での経験が、助産師としての活動の軸になった。
その間、’16年に次男が、’18年には三男が誕生し、男の子3人の子育てに加え、昼夜を問わない勤務のハードな生活が続いていく。
「頑張れたのは『奨学金の借金800万円を20代のうちに返済する』という明確な目標があったから。これが達成できたのも、私が夜勤のときには夫が子供の世話をしてくれるというフォローがあったからです。感謝してます」
■コロナ禍でストレスを極限までためていく母親たちを救いたい
’20年春に独立を決意。