加藤貴子 男性不妊克服の裏に「3度の流産」と「早朝注射」
だが、妊活を始めてから8年たっても妊娠することはなかった。彼女の状況を知った仲のいい監督から「僕の知っている不妊治療クリニックに行ってみたら?」と勧められたという。
「さっそく電話したところ、私の年齢が42歳と聞いて『すぐに来なさい』と、言われたんです。私に限らず、40歳を過ぎたらすぐにクリニックに来て、どういう状態かを把握するための検査を受けるべきだと。『卵子の老化』という言葉に驚き、すぐにネットなどで調べてみたら、いままで自分はなんて無知だったのだろうとクラクラするほどの内容で。それまでは健康で生理がふつうにあれば妊娠するものだと思いこんでいて、自分はホルモン値も正常だからと油断していたことを後悔しました。すぐに彼と一緒にクリニックに行きました。そして最初の検査で、彼の『男性不妊』がわかったんです」
男性不妊とは、精子の数や運動率の低下が原因でうまく受精しないなど、妊娠のためには男性側の改善が必要とされる状態のこと。
「それまで彼は健康診断でひっかかることもありませんでしたし、まさか子どものできなかった原因が自分にもあったとは思いもよらなかったようでした。