くらし情報『石巻市「大川小」遺族、震災以後の「卒業生スライド」封印に激怒』

石巻市「大川小」遺族、震災以後の「卒業生スライド」封印に激怒

閉校式に参加するかしないかも、大事な節目なので、長男とも長女とも相談して個々で決めました。彼らにとっては母校なので『同級生と行くよ』と言うから、私は『どうぞ、行ってらっしゃい』と送り出しました」

さよみさんの言うように、かつては子供たちの元気な声で溢れていた大川小の閉校は大きな節目ではあるが、遺族にとっては震災が終わったわけではない。現に、14年3月に23人の児童たちの遺族である19家族が起こした裁判は、いまも継続中だ。紫桃さんら遺族が宮城県と石巻市を相手に約23億円の損害賠償を求めて起こした民事訴訟では、16年10月に県と市に約14億3千万円の支払いを命じる一審判決が出たが、被告、原告ともに控訴している。

地震発生から津波が襲うまでの51分間。教師たちの判断で校庭で待機した挙げ句、津波が押し寄せる堤防方向へと移動させられ、命を落としたわが子たち。なぜ、すぐ背後の裏山に逃げなかったのか。どの親も抱く「空白の51分間に何が起きていたのか」という疑問に、一審判決は何も答えてはいなかった。
その裁判の控訴審判決が、この4月26日に出る――。

「なんで、あのとき、私は千聖を迎えに行かなかったんだろう。

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