新田真剣佑が全てを懸けた“最後の敵役”「『るろうに剣心』は世界に通用する作品」
やった分だけカッコよく撮ってくださる組だったので、その期待に応えたかったというのもあります」
人生で一番大変な撮影でした
アクションだけでなく、雪代縁として生きるために、その内面とも真っ向から対峙した。原作は、あえて読まない。映画の中の雪代縁として、台本から人物像を浮かび上がらせた。
「本来の縁はものすごく優しくて、まっすぐな男の子。そんな縁を変えてしまったのが、剣心なんですよね。角度を変えれば縁が正義であり、剣心が悪という見方もできる。どちらかが正しくて、どちらが間違っているか、簡単に言えないところが面白いなと思いました」
だからこそ、決して縁が悪役だとは思わなかった。
「縁のやっていることは、愛する家族を殺した人間への復讐。
自分の正義を貫いているだけだから、悪でもなんでもない。僕だって縁と同じ立場なら同じことをしている気がします」
復讐を遂げるために、殺戮を繰り返す残虐性と、一途に姉を慕い続ける純粋性と。縁が内包する二面性を、新田真剣佑は演技に込めた。
「縁の狂気と姉想いの面は、意識して変化をつけて演じました。実は僕、有村架純さんが演じている巴を、撮影が終わるまで一度も見ていません。