北川景子・中村倫也の自然体な魅力「他者からの視線や評価も今は気にならなくなりました」
まるで切っ先鋭いガラスの破片のように、お互いを傷つけ合うふたり。演じ手としても、力の入る場面に見えた。
「ボタンの掛け違いのひとつで、ふたりの道が分かれていく分岐点となるシーン。僕個人としては、この分岐がふたりにとって良かったのか悪かったのかはわかんねえなと思いながらやっていました。ここで道が分かれたことで、傷が浅いうちにすんだと思えば良かったのかもしれない。いろんな可能性がある分、あれで良かったか悪かったかなんていうのはわからない。ただ、ふたりにとっては急に火花がスパークしちゃう瞬間。そうなったら儲けもんじゃいと思いながら、現場ではぼーっとしていました」(中村)
「由紀と迦葉は人としてすごく似ていて、一緒にいると安心するし、相棒ができたみたいな気持ちだったんです。
それがああいうことになっちゃって。由紀があそこで涙を流したのは、大事なものが壊れてしまった涙だったのかなって。台本で読んだときはそこまで感じなかったんですけど、実際に現場で演じてみて思いました。迦葉が壁を殴る音とか、ドアを閉めて去っていく音とか、全部が悲しくて。きょうだいのようでもあり親友のようでもある人ってなかなか出会えない。