おとな向け映画ガイド 今週は、おとなにこそ観てほしい3本をご紹介します。
当時の啓徳空港を発着する飛行機がビルすれすれをかすめていくなか、ダニ―・ハサウェイの『ザ・ゲットー』がバックに流れ、巨大な魔窟のなかをカメラが移動するシーンのかっこよさときたら…。監督は香港映画のベテラン、バリー・ウォンとジェイソン・クワン。
2017年、今の騒ぎの前に製作された映画です。こういうアウトローたちの香港映画はこのあとどうなるのでしょうか。生死も貧富も天命次第、という孔子さんの言葉が映画のなかではでてきますが。
『アルプススタンドのはしの方』
おとな向け、とはいえないかもしれませんが、じんわり熱くなって、共感したくなる、今年の夏とびきりの青春映画と思います。
夏の甲子園第一回戦です。公立高校、たぶん初出場。
盛り上がるアルプススタンド。動員がかかって、やむなく「来た」またはワケありで、「はしの方」に座った、そんな4人の高校3年生が主人公です。
ふて気味で観戦しているのは、演劇大会県予選出場をインフルエンザが原因で断念した演劇部の女子ふたり。その近くに座る元野球部の男子が、野球のルールも知らない彼女たちに声をかけます。そこに、成績優秀だけど、影のうすい帰宅部女子1名がからみます。