2021年9月17日 12:00
いま最も聴くべきメゾ・ソプラノ脇園彩のロッシーニ《チェネレントラ》!新国立劇場のオペラ新シーズンまもなく開幕
私、50年代、60年代の映画やファッションが大好きなんですけど、今回の衣裳が全部、私の趣味のど真ん中!オードリー・ヘップバーンとか、ソフィア・ローレンとか、あの時代の雰囲気なんですよ。夢が実現したみたいな衣裳で、本当にちょっと鳥肌が立ちました。
私もまだ他の役の衣裳や舞台スケッチを見せてもらっただけなんですけど、喜劇王トトとか、映画監督のフェデリコ・フェリーニとか、あの時代のイタリア映画からインスピレーションを得て、舞台上のヴィジュアルにもいろんなオマージュが登場するようなので楽しみです。
――2014年にペーザロのロッシーニ・アカデミー(※)に参加したことは、ロッシーニを歌ううえで大きな経験だったと思います。アカデミーの校長でもあったロッシーニ研究の権威アルベルト・ゼッダ(1928~2017)から何を学びましたか?
(※アドリア海に面したロッシーニの生地ペーザロで1980年に始まった「ロッシーニ・オペラ・フェスティバル」が開催している、次世代育成プログラム)
ゼッダ先生が何度もおっしゃっていたのが、音楽が演者のテクニックのひけらかしになってはいけないということでした。ロッシーニって、アジリタ(※速く細かい音符を転がすように歌う装飾的な声楽技術)