くらし情報『和解が難しい「行政事件」…弁護士が語る住民や支援者と一体になって戦う方法』

和解が難しい「行政事件」…弁護士が語る住民や支援者と一体になって戦う方法

この事件は、千葉県が厚生労働省の雇用創出助成金制度を利用するかたちで、県内各地に事業を募集。そこに応募し委託事業を行っていた松戸市の同NPO法人が、補助金を出していた松戸市から訴えられた事件です。

千葉県のほうから助成金の要件などに間違いがあると指摘を受けた松戸市は、NPO法人側に詳しい事情を聞かないまま、すぐに3,000万円の助成金を県に返還してしまいました。それで即、 NPO法人に3,000万円返せといってきた乱雑な事件だったのです。私のほうに依頼があったのは、NPO法人側が一審で負けた後です。 NPO法人側は、高裁で過去の膨大な資料を証拠として提出し、やむをえない事情があったことなどを、相当丁寧に主張したことで、最終的には、ほぼ逆転勝訴で法人側に責任がないという判決を得ることができました。思い入れのある事件は色々ありますが、この事件は、なかなかやりがいがありましたね。

___この事件を解決するために、どのような工夫をされましたか?

住民訴訟や、行政相手の訴訟の多くは、支援者や応援団が沢山いて、裁判の傍聴人も多くの人数が集まってくれます。
そういう人たちに、少し語弊があるかもしれませんが、有意義なかたちで裁判に向き合えるように工夫して弁護活動をしています。

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