くらし情報『原則責任を負わない「公務員」に求償請求が認める判例が続出…弁護士が内容を解説』

原則責任を負わない「公務員」に求償請求が認める判例が続出…弁護士が内容を解説

 

2.大分県が元顧問に対し求償権を行使することを認めた事例

(大分地裁平成28年12月22日)

剣道部の練習中に重度の熱中症で倒れ死亡した生徒の親は、国家賠償法に基づく損害賠償請求で大分県に勝訴していました。

しかし、元顧問に対する請求が認められなかったために、住民監査請求を経て住民訴訟を提起し、大分県に対し元顧問に対する求償権行使を求めていた事例です。下記の2つの理由から重過失と認定されています。

(1)事故当時、亡くなった生徒は竹刀を落としたのに、気づかず竹刀を構えるしぐさを取った。熱射病による異常行動と容易に認識できたのに、元顧問は何ら合理的な理由もなく演技をしていると決めつけ、練習を継続させ、適切な措置を取らなかった

(2)元顧問は、元生徒を前蹴りし、倒れた生徒にまたがって10回ほど頬を平手打ちをする、という状態を悪化させるような不適切な行為にまで及んだ。注意義務違反の程度は重大であり、その注意を甚だしく欠いた

地方公共団体が公務員個人に対して求償できることを認めた裁判所の判断は少ないですが、近時の裁判所は、認める傾向にあるといえましょう。

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