【弁護士が語る!】テレビ番組制作会社や、芸能プロダクションでの働き方の難しさ
講師の指導に不満を持った生徒が大量にやめてしまい、数十万、数百万の受講料相当額の損害賠償請求する必要が出てくる、ということも考えられます。
その場合でも、講師に何をどう指導してほしいのかが、事前に明確になっていなければ、講師の契約違反を問えず、損害賠償請求することもできない、という事態に陥りかねません。
ほかにも例えば、講師が生徒に手を出してしまった場合などはどうなるでしょう。生徒たちにとって、講師は基本的に憧れの対象ですから、あり得ないケースとはいえません。関係がうまくいっているうちは問題にはなりませんが、講師と生徒の関係がこじれてしまったら、周囲を巻き込んだトラブルに発展することもあります。生徒や生徒の親から、講師だけでなくプロダクションが責任を追及される可能性があるのです。
プロダクションは講師を雇用しているわけではないので、講師を指導するというのは立場的に難しいのですが、責任追及される場面では、「雇っていないフリーランスの講師なので…」という理屈は通用しない場合もあります。
こうした問題が起こらないように、プロダクションと講師の契約では、指導の内容や禁止事項を明確に定め、特に生徒に対する責任を、契約段階で講師に自覚させておくことが重要です。