【FP解説】社会保険の扶養範囲を外れたらどうなる?損しないための基礎知識
ここから雇用保険・所得税・住民税がさらに引かれますが、年金・健康保険料ほどは高くありません。
つまり、年収110万円で働く場合と、年収130万円で働く場合では、手取りがあまり変わりません。年収150~160万円まで働けば、手取り収入が130万円ほどの水準になります。
手取りを回復しなくても、年金額とトータルで考えよう
しかし、130万円以上働き、年間の手取りが20万円減ったからといって、必ずしも損するわけではありません。
先ほど述べた「社会保険に入っていると受けられる保障」が受けられるようになります。もちろん将来の年金額にも反映されます。
年金はいくら増えるのか
実際に老後の年金額を計算してみましょう。年収5万円、1カ月に4,000円分ほど多く働いて、扶養を超えた場合を考えます。
(※金額は全て概算)
毎月の収入だけ見ると「収入が減った…」と思っても、生涯で受け取れる額には変わりがないかもしれません。
年金は終身受け取れますから、この例であれば90歳、95歳と生きると収支はプラスに転じます。(ただし、後述する「加給年金」が受け取れなくなるなど、一概に年金が増えるとは言えないので注意しましょう。)