『アンネの日記』のアンネ・フランクがこの仕事を始めたきっかけです。【私のmono 後編:小林エリカさん】
前回に続き、小林さんの文房具コレクションをご紹介。レトロで可憐なパッケージが素敵な空き缶は彼女のイメージにもぴったり。いただきもののお菓子の箱もつい集めてしまうと笑う。
書くことで永遠に生き続けられると気づけた。
この世界を目指すきっかけは、幼少期に読んだある1冊の本だったと小林さん。
「小さい頃に、アンネ・フランクの『アンネの日記』を読んだんです。
本の中で、彼女が作家かジャーナリストになりたいと書いてるんですが、10歳の私には、こんなにかっこいいお姉さんがいるんだと衝撃的で。
そのときから私も作家になりたいと思っていました。
〝私の望みは、死んでからもなお生き続けること〟と彼女は書いているんですが、書くことによって〝そうか! 死なないんだ〟ということが初めてわかって。
作家を志すきっかけがこの1冊でした」
テンプレートを使ったドローイング風景。和紙、Gペンやインクも、小林さんの大切なパートナーだ。
自宅にあったこの『アンネの日記』が、彼女の運命を変えていくことに。
「しばらくそのことは忘れていたんですが、私が30歳を過ぎて父が80歳の誕生日を迎えた時に、その父が16〜17歳の頃につけていた日記をたまたま見つけて。