「ドラマとしてはコンゲームです。でも大阪独特のニュアンスというか、たとえば東京が舞台だったらもっと空気が張りつめると思うんですけど、そこがちょっとルーズで、起きていることはシリアスなのに“はんなり”とした空気感が出ている作品になっていると思いますね」と語る森山未來。主演を務めた連続ドラマW『煙霞 (えんか)-Gold Rush-』は、文化庁の文化交流使としてイスラエルでのダンス活動後、初となる映像作品だ。
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「(イスラエルに行っていた期間中)芝居を一切やっていなかったんです。だから自分がそうしたフィクションに突入する自信がなかった」と明かす森山。しかし監督を務めた小林聖太郎(『マエストロ!』)との出会いが、背中を押した。「変な緊張感がなくて、いろいろ会話しながらやっていける方だなと信頼できたんです。僕はもともと相互的な関係から作品を構築していくのが好きなタイプなので、帰国して初のドラマで小林監督とやれてよかったと思っています」。
原作は直木賞作家である黒川博行の小説。森山が扮したのは、正社員の三割引きの給料しかない、私立高校の美術講師・熊谷だ。ある日、音楽教師の菜穂子(高畑充希)