おとぎ話界に "越境レディ" を。〈ペネロピ〉【洒脱なレディ論】
いつだって、おとぎ話はハッピーエンドだ。逆境に立ちひどい仕打ちを受けるお姫様には、かならず白馬の王子様が現れる。苦労は報われ王子様に見初められ、キスのひとつで永遠の眠りからだって目を覚ます。幸せむんむんの場面は《END》の文字であっさり幕引き、残されたわたし達は、わずかな高揚感を抱えながらいつもの日常へと戻る。"越境レディ" はそんなお姫様を羨ましくも恨めしく、挙句のはてにあたしにゃ関係ないと強がるかしら。この連載【 洒脱なレディ論 】では毎回映画や音楽、文学から舞台に至るまでさまざまな作品を通じて "レディ" を論じていく。第一回目の今回のテーマはROBEのキーワードでもある "越境レディ" 。そもそも越境とは境界を超えることーーー、白馬の王子様におんぶに抱っこじゃお荷物だって思うよね?おとぎ話はハッピーエンドと相場が決まっているけれど、現代において白馬の王子様の出現率は極めて低い。
じゃあわたし達は現実世界において、幸せむんむんになる資格はないって?もちろん、そんなはずはない。血眼になって王子様を探すのもいいけど、まずは王子様に求める「なに」を考えてみるのは如何だろう。すこし迷った女友達がいると真っ先に手渡してしまう映画を紹介したい。