『カカフカカ』は愛のない体の関係×特別感の新しい少女マンガのかたち
愛のないセックスの禁忌×特別感という本流
女は、恋愛関係において圧倒的に立場が弱いように思います。
大人になると「おつきあいしてくださいっ!」なんて告白してから関係が始まることって、むしろ少なくなりませんか。
なんとなくいいムードになって、セックスしてから「あれ……? これは付き合うってことでいいのかな? いいんだよね?」と悩む。
男性の圧倒的大多数が「体だけの関係OK」な生き物だそうで、そして大変タチが悪いのは、一発抜くためならどんな嘘でも平気でつけるってこと。「好き」とか「一緒にいたい」とか、すごく相手に好意がありそうなことをいっぱい言えます。しかも嘘をついている自覚がなく、本気で言ってる場合も多いそう。それに女性がまんまと引っかかって「好かれてるのかな」なんて思っていたら、行為が終わった後に「え、遊びでしょ?」なんて言われてズタズタに傷ついたなんて話を、あっちでもこっちでも耳にします。
少女マンガでも、男女がくっつくまでのディテールを追っていって、人気が出て連載が長引くと今度は「この人は私に本気なのかしら……?」なんて悩み始める。
これお決まりパターンですよね。
だから少女マンガをはじめ、女性向けのエロ媒体であるティーンズラブコミックですら、愛のないセックスを扱うことはほとんどありません。