『カカフカカ』は愛のない体の関係×特別感の新しい少女マンガのかたち
男の熱い想いの結果が性行為だったり、最初は遊びだったのに、セックスしたらなんでだか彼女に溺れて夢中になったり。
ところがこの 『カカフカカ』は、展開が逆です。
実はEDに悩んでいる本行(ほんぎょう)は、ルームメイトの寺田さんだけに反応するという、謎の展開からはじまります。
カカフカカ(1) /石田 拓実(著/文)/発行:講談社
基本的に少女マンガは、主人公に特別感を与えて読者を気持ちよくさせます。部活で大抜擢されたり、受けてもいないオーディションで大抜擢されたり、何が魅力なのかわからない主人公の元へ男子が我先にと言い寄ってきたりと、他の人が持たない特別感を与えられる展開になります。
そしてとうとう、EDの男性が自分だけには勃つなんていうパターンまで発展しました。余談だけど、これって自分以外にはEDなんだから、浮気の心配がなくていいですね。人生のどん底でどう足掻くかが分かれ道
本来、愛の伴わない機械的、動物的なセックスは少女マンガの禁忌です。
自分が単なる肉の塊として扱われ、便器のように処理をさせられるのは、たまらない屈辱ですから。「EDを治したいから」って理由も、愛情なんかぜんぜんない、むしろどっちかって言えば機械的です。